「体温は36度台なのに、足先だけ氷みたいに冷たい」——その謎は、測る場所と、体の中の温度差のしくみを知ると、少し腑に落ちてきます。
50〜60代・親世代の視点で、冷えや巡り・姿勢の変化とのつきあい方を考えます
先日、友人から「体温を測っても平熱なのに、なんで足だけこんなに冷たいんだろう」と聞かれました。脇の下で測った体温は36.4度。でも足先を触ると、驚くほどひんやりしている。これ、実は珍しいことではないようです。
体には「あたたかい場所」と「冷えやすい場所」がある
私たちの体は、脳や内臓など生命維持に関わる部分の温度(深部体温と呼ばれます)を一定に保とうとするしくみを持っていると言われています。そのために体は、外気に触れやすい手足の血管を細くして、あたたかい血液をできるだけ体の中心に集めようとするそうです。つまり、足先が冷たいのは体がサボっているのではなく、むしろ「中心を守るために手足を後まわしにしている」状態とも言えるのかもしれません。
脇の下や口の中で測る体温計は、この「深部体温」に近い数値を見ているため、実際の手足の温度とは別ものになりやすいのだと考えられています。
自律神経が「血管の開け閉め」を担当している
この血管の開け閉めを指令しているのが、自律神経と呼ばれる、意識しなくても呼吸や体温調整をしてくれている神経のしくみです。特に交感神経(体を活動モードにする神経)が優位になると血管が締まりやすく、副交感神経(体をゆるめる神経)が優位になると血管がゆるみやすい、という関係があると言われています。緊張が続く生活や、季節の変わり目の寒暖差は、この切り替えに負担をかけやすいとも考えられています。
測る場所を変えると、見えてくるものがある
最近は体表温を測れる家庭用の機器や、手首・足先の温度を記録できるウェアラブル端末も増えてきました。脇の下だけでなく、足先や手先の温度も合わせて記録してみると、「今日は冷えているな」という体感を、なんとなくの感覚だけでなく数値として振り返ることができます。毎日同じ時間に測るだけでも、季節や生活リズムによる変化に気づきやすくなるようです。
あたため方にも、ちょっとしたコツがある
冷えた足先、つい靴下を重ね履きしたくなりますよね。でも、こと就寝時に関しては、少し意識したいことがあります。寝るときは足首をあたためて、足の裏は覆わないでおくのが望ましいと言われています。足の裏は、体の熱を外へ逃がして深部体温を下げる“放熱の窓口”。ここをふさいでしまうと、かえって眠りに向かう体温の切り替えをさまたげてしまうことがあるんです。
だから就寝時の足元は、足裏まで包む厚手の靴下よりも、かかとの開いたレッグウォーマーのように「足首をあたためて足裏は開けておく」タイプのほうが理にかなっています。眠+(ミンプラス)のおやすみ靴下は、まさにこの“足首を温めて足裏は覆わない”形なんですよね。
もうひとつ。あたため方には「外から加熱する」方法と「自分の血流で温める」方法があります。湯たんぽは電気で温めるものより穏やかでよいのですが、できることなら自分の血の巡りで足先まであたたまるのが理想です。冷え対策は“熱を足す”ことよりも“巡りをさまたげない”こと——そう考えると、日中の過ごし方も少し変わってきます。
手足だけでなく、土台にも目を向けてみる
血の巡りは、血管や自律神経だけでなく、姿勢や骨盤の状態とも関わっていると言われています。骨盤まわりが立ちにくい姿勢が続くと、周辺の筋肉がこわばりやすくなり、巡りにとって窮屈な状態になりやすいとも考えられています。足元をあたためる工夫に加えて、骨盤まわりを支えて日中の姿勢を整えることも、巡りをさまたげないための土台づくりのひとつになるかもしれません。
体温計の数値と、実際に触れて感じる冷たさ。そのふたつのズレに気づけたことが、友人にとっては「自分の体を知る」小さな入り口になったようでした。冷えは気のせいではなく、体のしくみの中にちゃんと理由があるもの。そう思うと、足元のケアをひとつ選ぶのも、少し前向きな気持ちになれる気がしています。
※この記事は情報提供を目的とした編集部員の体験・見解です。紹介している商品は医薬品ではなく、特定の症状の診断・治療・予防を目的としたものではありません。体調に不安のある方や治療中の方は、医師など専門家にご相談ください。
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