冷え性の母と私、湯たんぽの温度が違った理由

実家に帰るたびに母の湯たんぽがやけに熱くて驚いていた私。同じ「冷え性」でも、世代で感じ方も対処の仕方も違うらしいと気づいた話です。

レイコ
この記事を書いた人
レイコ#50代からの体

50〜60代・親世代の視点で、冷えや巡り・姿勢の変化とのつきあい方を考えます

母の湯たんぽ、熱すぎませんか

先月、実家に泊まった夜のことです。母の布団に足を入れさせてもらったら、湯たんぽが熱々で、思わず「ちょっと、これ火傷しない?」と声が出てしまいました。母は涼しい顔で「これくらいでちょうどいいのよ」と言うんですよね。私が普段使っているものより、明らかにお湯の温度が高いんです。

同世代の友人にこの話をしたら、「うちの母も」と返ってきました。どうも親世代は「熱いくらいがあたたかい」という感覚を持っている人が多いようで、逆に私たち世代は「ぬるめでじんわり長く」を好む人が増えている気がします。これ、単なる好みの違いというより、体の感じ方そのものが年齢で変わってきているのかもしれない、と最近は思うようになりました。

体温調節の仕組みが、静かに変わっていく

調べてみると、加齢とともに皮膚の温度センサーの感度が落ちていくと言われています。若い頃は「ちょっとぬるい」「ちょっと熱い」がすぐ分かったのに、年齢を重ねると同じ刺激でも感じ取るまでに時間がかかったり、鈍く感じたりするようになるそうです。母が熱いお湯を選ぶのも、「それくらい熱くしないと、あたたかさを感じにくくなっている」からなのかなと、勝手に納得しました。

加えて、血流の巡りも年齢とともに変化していくと言われています。手足の先まで血液が届きにくくなると、体の中心はそれほど冷えていなくても、指先や足先だけがひんやりしてしまう。母がよく「手足だけが氷みたいに冷たいのに、顔はほてる」と言うのも、この巡りのムラが関係しているのかもしれません。自律神経の働きも、血管を広げたり縮めたりして体温を調整しているので、ここが揺らぐと「あたたかい」の感じ方自体がぶれてしまうんですよね。

湯たんぽの選び方、親子で全然違った

この件がきっかけで、母と一緒に湯たんぽ売り場を覗いてみたんです。そこで気づいたのが、選ぶ基準がまるで違うこと。母は「とにかく長く熱が持続するもの」を選びたがるのに対して、私は「低温やけどが怖いから、ぬるめで長時間」を優先したい。店員さんに聞いたら、素材によって保温の持続時間も、表面温度の下がり方も違うそうで、金属製は熱伝導が早い分すぐ熱くなるけれど冷めるのも早く、プラスチック製はじんわり長く持つ傾向があるとのことでした。

母には、低温やけどのリスクについても伝えました。皮膚の感覚が鈍くなっている分、「熱いと感じにくいまま、同じ場所に長時間触れ続けてしまう」ことがあるそうなんです。友人のお姑さんが、湯たんぽを足に当てたまま眠ってしまい、翌朝赤くなっていたという話も聞いたことがあります。あたたかさを求める気持ちはそのままに、当て方や時間を見直すことは大事だなと感じました。タオルで一枚くるむ、直接肌に長時間当てない、寝る前に布団に入れて眠るときは外す、といった工夫を母にも試してもらっています。

「あたためる」は、体と相談しながら

この一件で思ったのは、「冷え対策」とひとくくりに言っても、年代によって体が求めているものが違うということです。20代の私は靴下を重ねばきすれば足先の冷えは気にならなかったけれど、50代になった今は、足先だけでなくお腹まわりや腰のあたりも一緒にあたためたくなります。母はさらに、手先・足先・肩まわりと、あたためたい場所がどんどん増えていくと話していました。

骨盤まわりや腰まわりは、体の中でも大きな血管が通っている場所だと言われていて、ここを冷やさないようにすることは、巡り全体を考えるうえでも見過ごせないポイントだと感じています。

熱をあてるより、自分の熱を逃がさない

この一件で、ずっと引っかかっていたことがあります。感覚が鈍くなるほど、熱くしないとあたたかさを感じない。でも、感じないまま当て続けるから危ない。この矛盾は、熱いものを体に当てて解決しようとするかぎり、なくならないんですよね。

そこで知ったのが、外から熱を加えるのではなく、自分の体温を使ってあたためるという考え方の衣類でした。天然鉱石を織り込んだ繊維が、体から出ている熱を遠赤外線として返してくれる、という作りなのだそうです。通常の繊維と比べて5分で11℃の差が出る、羽毛より蓄熱性が高い、といった説明を読んで、半信半疑で腹巻きをひとつ試してみました。

着て寝てみて、正直おどろきました。お湯のような熱さはないのに、ずっとあたたかい。布団に入った瞬間から朝まで、お腹まわりがぬくい状態が続くんです。しかも熱源がないので、熱くなりすぎることがありません。母のように皮膚の感覚が鈍くなっている人でも、低温やけどの心配をしなくていい。これは大きいと思いました。

湯たんぽをやめる必要はないと思っています。寝る前に布団をあたためておくのは湯たんぽの役目、朝まであたためるのは着るものの役目。そう分けてから、うちも実家も夜がずいぶんラクになりました。「熱ければ熱いほどいい」ではなく、自分の今の感じ方に合わせて選び直す。母の熱々の湯たんぽを見て、私も自分の体との付き合い方を、そろそろアップデートする頃合いだなと思っています。

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※この記事は情報提供を目的とした編集部員の体験・見解です。紹介している商品は医薬品ではなく、特定の症状の診断・治療・予防を目的としたものではありません。体調に不安のある方や通院中の方は、医師など専門家にご相談ください。

Little Good Days 編集部
サチミホレイコタクヤユウコハル

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