夜中にきまって目が覚める、その理由を「体温リズム」から考えてみました。眠りと体温、実は深い関係があるようです。
なぜ冷える・こる・ゆがむのか。体のしくみからやさしく解き明かします
深夜3時、なぜか目が覚める日が続いた
ここ最近、判で押したように深夜3時前後に目が覚める日が続いていました。トイレに行きたいわけでもなく、物音がしたわけでもない。ただ、ふっと意識が浮かび上がってくる感じです。最初は「歳のせいかな」くらいに思っていたのですが、あまりに毎晩同じ時間なので、これはもしかして体のしくみに理由があるのではと調べてみることにしました。
調べていくと、睡眠と体温の関係にたどり着きました。私たちの体には「深部体温」と呼ばれる、体の内側の温度があります。皮膚の表面温度とは違って、脳や内臓のあたりの温度のことです。この深部体温は、夜になると下がり、朝方に向けてゆるやかに上がっていくというリズムを持っていると言われています。眠りが深くなるタイミングは、この深部体温がぐっと下がる時間帯と重なっているそうです。
体温が下がりきれないと、眠りが浅くなる理由
深部体温を下げるために、体は手や足の末端の血管を広げて、そこから熱を逃がそうとします。よく「眠くなると手足が温かくなる」と言われるのは、このためだそうです。熱を外に逃がすことで、体の内側の温度をすっと下げていく。これがスムーズにいくと、眠りも深くなりやすいと言われています。
ところが、手足が冷えていて血管がうまく開かない状態だと、この熱の放出がゆっくりになってしまうことがあるようです。深部体温がなかなか下がりきらず、浅い眠りのまま朝方の体温上昇のタイミングを迎えてしまう。これが、決まった時間に目が覚めてしまう一因になっているのではないかと言われています。もちろん個人差があり、原因はひとつではないと思いますが、自分の「冷え性気味」という体質と、深夜3時の目覚めが、体温という一本の線でつながっているように感じました。
そしてこの熱の放出には、自律神経も関わっています。自律神経は、体を活動モードにする交感神経と、休息モードにする副交感神経のバランスで成り立っていると言われていますが、夜になって副交感神経が優位になっていくと、血管がゆるみ、熱を逃がしやすくなるそうです。逆に、日中の緊張や冷えで交感神経が優位なままだと、血管が締まった状態が続き、熱がこもりやすくなるとも言われています。
体組成計とアプリで、自分の体を数字で見てみた
感覚だけで判断するのも心もとなかったので、家にあった体組成計で、寝る前の体温や皮膚温の変化をなんとなく記録してみることにしました。厳密な深部体温は家庭では測れませんが、手足の冷たさや体感の変化を、睡眠記録アプリのメモ機能と一緒に残してみたのです。
すると、湯船にゆっくり浸かった日と、シャワーだけで済ませた日とで、寝つきの体感や夜中の目覚めの回数に違いがあるような気がしてきました。あくまで自分の記録の範囲での話ですし、他の要因(その日の疲労やストレス)も関係しているはずなので、これだけで結論づけるつもりはありません。ただ、「なんとなく調子が良い夜」と「そうでない夜」に、手足の温まり方の違いがあったのは、記録してみて初めて気づけたことでした。
研究でも、入浴によって一時的に深部体温を上げておくと、その後の体温低下がスムーズになりやすいという報告があるようです。お風呂に入って体を温めてから1〜2時間ほど時間を置いて布団に入る、というのはよく言われる目安ですが、これは「体温を上げてから下げる」という、体のしくみに沿った理にかなった流れなのだと、今回調べて腑に落ちました。
眠りの土台には、姿勢や骨盤の話もつながっている
体温の話を調べているうちに、意外なところにもつながりを感じました。それは姿勢や骨盤の状態です。骨盤まわりが硬く縮こまっていると、下半身の血のめぐりが悪くなりやすいと言われていて、これも手足の冷えの一因になり得るのだそうです。日中ずっと座りっぱなしで骨盤まわりが固まっていると感じる日は、たしかに夜も足先がなかなか温まらない感覚がありました。
骨盤は体の土台とも言われる部分で、姿勢が崩れると呼吸が浅くなったり、下半身のめぐりに影響したりすると言われています。眠りの質そのものを断定的に語ることはできませんが、日中の姿勢や骨盤の状態が、夜の体温調整や自律神経の切り替えにも、間接的につながっている可能性はありそうです。私自身、日中に軽く腰まわりを動かす習慣を意識するようになってから、夜の冷え方が少しやわらいだような感覚があります。あくまで個人の体感の範囲ですが、体はどこか一部分だけで動いているわけではなく、姿勢も、血のめぐりも、眠りも、ひとつながりなのだと実感した出来事でした。
深夜3時の目覚めは、まだ完全にはなくなっていません。それでも「体温のリズム」という視点を持てたことで、以前ほど焦らずに、目が覚めても「そういう時間帯なんだな」と受け止められるようになった気がします。眠りは気合いでどうにかするものではなく、体の内側の小さな仕組みが積み重なってできている。そんな当たり前のことを、あらためて教えてもらった夜でした。
※この記事は情報提供を目的とした編集部員の体験・見解です。紹介している商品は医薬品ではなく、特定の症状の診断・治療・予防を目的としたものではありません。体調に不安のある方や治療中の方は、医師など専門家にご相談ください。
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