肉じゃがの匂いがするごはん、を炊いた朝

飯炊釜で肉じゃがを作った翌日、炊きたてごはんがほんのり肉じゃが味になった話です。理由と、それでも惜しい飯炊釜の実力について書きました。

コハル
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コハル#暮らしを少し上質に

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朝、ごはんを開けたら肉じゃがの匂いがした

先に白状してしまいます。うちの飯炊釜で肉じゃがを作ったことがあります。しかも、けっこう堂々と。「これ、蓄熱がすごいし絶対おいしくできるやつでは」と思ってしまったんです。実際、味はしみるし、じゃがいもはほろっとするし、我ながら上出来でした。

問題は次の日です。同じ釜で普通に白ごはんを炊いたら、湯気を開けた瞬間に「あ、これ知ってる匂いだ」となりました。肉じゃがです。昆布と醤油とお肉の、あの匂い。ごはん自体にも、うっすら味が入っていました。まずいわけではないんですが、白ごはんに求めていた味ではなく、なんとも言えない気持ちになって、しばらく茶碗を見つめてしまいました。

うわ薬をかけていない、というだけの理由

これ、うちの飯炊釜だけの珍事かと思っていたら、ちゃんと理由がありました。飯炊釜は内側にうわ薬(釉薬)をかけていない作りになっています。うわ薬というのは、器の表面をガラスのようにコーティングする仕上げのことで、これがあると水分がしみこみにくくなります。逆に言うと、うわ薬をかけていない飯炊釜の内側は、土そのものがむき出しの状態。だからごはんがふっくら炊けるとも言えるのですが、同時に、味の付いた水分をよく吸ってしまう性質もあわせ持っています。

肉じゃがのように、醤油やみりんでしっかり味をつけた煮汁を長く入れておくと、土釜にその味がしみこんでしまうので、次にお米を炊くと、土釜に染み込んだ味がじんわり出てきて、ごはんに移ってしまうというわけです。一度しみこんだ味は、洗ってもすぐに取れません。うちの釜も、何回か肉じゃが専用炊飯器のようになっていました。

ちなみにこれは飯炊釜に限った話ではなく、うわ薬がかかっている一般的な土鍋でも、程度の差はあれ同じことが起こります。土もの全般が持っている性質だと思うと、少し納得できる気がします。

味噌汁も、煮物も、お湯沸かしも我慢してほしい

というわけで、ここからは正直なお願いです。飯炊釜で、味噌汁・煮物・お湯沸かしはやらないであげてください。作ろうと思えば作れてしまうし、実際おいしくできてしまうところが、この釜のちょっと厄介なところなんです。「せっかくならこれも」という気持ち、すごくよくわかります。私も一度その誘惑に負けました。

飯炊釜は基本的に、白ごはん・お粥・炊き込みごはんのための道具として作られています。この3つの範囲で使っている分には、味が残る心配はいりません。炊き込みごはんだけは具材の味が出るので、食べ終わったら早めに釜から出して洗ってあげるのがおすすめです。長く入れっぱなしにしていると、炊き込みごはんの味がやっぱり釜に残ってしまうので。

それでも「向いている」のが惜しい

ただ、正直に言うと、飯炊釜が煮物に向いていないわけではないんです。むしろ逆で、蓄熱がとても高いので「沸いたら火を止めて、あとは置いておくだけ」というタイプの料理は、本来かなり得意な部類に入ります。肉じゃがはまさにそれで、沸騰させてから火を止めても、釜の中の熱でじっくり中まで味がしみていく。あの日の肉じゃががおいしくできてしまったのも、偶然ではなく、道具の実力だったんだと思います。

できるとわかっているのに、やらないでほしいとお願いするのは、書いていて少し歯がゆいです。煮物担当は別の土鍋にお願いして、飯炊釜にはごはん専任でいてもらう。それぞれ得意なことをしてもらう、という役割分担だと思うと、少し気持ちが軽くなります。

ちなみにお粥は少し炊き方が違って、外ぶたをして沸くまでは強火、そのあとは好みのやわらかさになるまでコトコト火にかける時間があります。この「コトコト」の時間があるからこそ、お粥は飯炊釜でもごちそうになるのだと思います。白ごはんの「タイマーが鳴ったら火を止めるだけ」とはまた違う、もうひとつの顔です。

役割を決めたら、案外気楽になった

肉じゃが事件のあと、うちでは飯炊釜はごはん専任、煮物や汁物は別の鍋、とはっきり役割を決めました。決めてしまうと、迷いがなくなって案外気楽です。今日は白ごはんを炊くだけの日、今日はお粥の日、というふうに、釜の出番がシンプルになりました。焦げたらたわしでこすって、洗ったらしっかり乾かす。それだけ守っていれば、あとは黙って米をおいしくしてくれる道具です。

もし同じ釜をお持ちなら、肉じゃが専用炊飯器になる前に、ぜひこの話を思い出してもらえたらと思います。

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※この記事は情報提供を目的とした編集部員の体験・見解です。紹介している商品は医薬品ではなく、特定の症状の診断・治療・予防を目的としたものではありません。体調に不安のある方や通院中の方は、医師など専門家にご相談ください。

Little Good Days 編集部
サチミホレイコタクヤユウコハル

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