土鍋でごはんを炊く数十分、なぜか背筋が伸びる自分に気づきました。台所の道具と姿勢、実は静かにつながっているのかもしれません。
なぜ冷える・こる・ゆがむのか。体のしくみからやさしく解き明かします
土鍋の前で、なぜか猫背にならない
先日、土鍋でごはんを炊いていたときのことです。火を止めたあと、蒸らしのあいだになんとなく鍋の前に立っていたら、いつのまにか背筋がすっと伸びていることに気づきました。普段スマホを見ているときは肩が丸まりがちなのに、土鍋の前だとなぜか姿勢が違うのです。
考えてみると、土鍋でごはんを炊くときは「ふたの動き」や「湯気の様子」を見逃さないように、少し前のめりで、でも顔だけを下げるのではなく、腰から体ごと鍋に向き合う姿勢になります。スマホのように首だけを傾けるのとは、体の使い方がまったく違うのです。
「うつむき姿勢」が積み重なると起きること
私たちがスマホや書類をのぞき込むとき、頭は体重の約1割ほどあると言われ、前に傾くほど首や肩にかかる負担は大きくなると考えられています。この「うつむき姿勢」が長時間・毎日積み重なることで、肩や首まわりの筋肉がこわばりやすくなる、という話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
さらに、うつむき姿勢は背中が丸まりやすく、骨盤も後ろに傾きやすい状態になりがちです。骨盤は上半身を支える土台のような部分なので、ここが傾くと、その上に乗っている背骨や肩まで連鎖的にバランスを崩しやすくなる、とも言われています。体のパーツはそれぞれ独立しているようで、実はつながって働いているのですね。
台所仕事は「全身姿勢」になりやすい
その点、土鍋でごはんを炊く、鍋を混ぜる、まな板で野菜を切るといった台所仕事は、手元だけでなく体全体を使う動作が多いように感じます。立ち位置を変えたり、少し腰を落としたりしながら作業するので、自然と骨盤や背骨を含めた「全身の姿勢」を使うことになるのかもしれません。
もちろん、台所に立てば姿勢が良くなると断言できるわけではありませんし、個人差もあると思います。ただ、うつむいて画面をのぞき込む時間とは違う体の使い方をする時間が、日常の中に少しあるというのは、悪くないことのように思います。
暮らしの中の「姿勢リセット時間」を見つける
最近は体組成計やスマートウォッチで姿勢や活動量を記録できる機会も増えてきました。そうした数字を見ながら、「今日は座りっぱなしだったな」「台所に立つ時間があった日は少し違うかも」と、自分なりの気づきを積み重ねてみるのも面白いかもしれません。
土鍋でごはんを炊くのは、正直なところ少し手間がかかります。でもその手間の時間が、画面をのぞき込む姿勢から離れて、体をまっすぐ使う小さな休憩になっているとしたら、それだけで続ける理由になりそうです。今日も土鍋の前で、ふたの隙間から立ちのぼる湯気をぼんやり眺めながら、背筋を伸ばす時間を楽しみたいと思います。
浸水15分 → 強火で約10分 → 蒸らし20分。火加減の調節は不要で、1〜2人分をちょうどよく炊ける2合サイズの飯炊釜(山の工房村・日本製)です。
2合の土釜を見てみる →※この記事は情報提供を目的とした編集部員の体験・見解です。紹介している商品は医薬品ではなく、特定の症状の診断・治療・予防を目的としたものではありません。体調に不安のある方や治療中の方は、医師など専門家にご相談ください。
あなたの毎日を、少しだけ良く・楽しく。からだの悩みから暮らしのヒントまで、編集部それぞれの目線でお届けします。
